一本の電話

もうだんだんといろいろなことが面倒で、毎日に嫌気がさしていた。

働いても全部返済に消えていくし、それでも足りないから電話や督促状が毎日続いてるし・・・。

半やけくそ状態の時に、家にまで来た某金融会社の人から電話があった。

ふだんならシカトしてしまうのに、なぜか電話に出てみようっていう気になった。

どうせムカっとする言い方で責めてくるんだろう。だったらこっちももう開き直って『無いものは返しようがないだろ!』ってキレてやろうか・・・そう思ってた。

そしたら、以外にもお兄さんの反応は穏やかだった。

『返したい気持ちはやまやまなんですけど、どうにも返しようがない状態で。実はおたくの会社以外でも何軒も借り入れをしてて、もう切羽詰ってるんです』って言ったら、

『そうでしょうね。だいたいわかりますよ。大変な思いをしてきましたね。でも、全額は無理でも、理由を話して返済額の一部だけでも支払うことで、そういった電話は少しは収まることもありますよ?どうですか?全額が無理なら、まずは1万円、無理なら5千円だけでも入れませんか?その次の支払いについてはまた次に考えましょう、前向きに・・・』

なんだ?この人の対応。

逆ギレしてやるつもりだったのに、すっかり癒されちゃって。

そうしたら、なんだかいろいろわだかまってた物がすーっと楽になった気がして、このままじゃなんともならないって冷静に考えることができるようになった。

取立ての電話に変わりはなかったけど、この電話に出なかったら今の自分があるかどうかも分からない。

もしかしたら借金か逃げるために逃亡してたかもしれないしね。

私は、借金を整理する決心をした。

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